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  2. 白蛇さん

当社は天神さん(学問の神)として多くの方に崇敬されていますが、相殿としてまつられている白蛇龍神(通称 白蛇さん・巳さん)も火難・水難・災難除け・金運・商売繁盛の神として多くの方々に崇敬されています。

かつて、白蛇さんは一体は金沢神社に、もう一体は江戸屋敷に納められていました。江戸屋敷の城中に納められていた一体は、代々の奥方により火難除け・火伏せの神として祀られていたのですが、戦後の昭和21年に神社に納められ、現在では二対とも本殿に祀られています。白蛇さんが祀られた藩政期より、白蛇さんのお姿を写した掛け軸を毎年10月1日に百体奉製し、藩公から藩士や城下の主だった家々にわかち与えたとされています。現在でも金沢の旧家の土蔵から、この掛け軸が見つかった話をよく耳にします。

近年では火災よけや火伏せの神だけにとどまらず、龍蛇信仰と金城霊澤の砂金伝説とが結びつき、水の神・金運の神としても仰がれ水商売関係者の信仰を集めています。また、商売繁盛の神としても広く商売を営む方々の信仰を集めています。金澤神社では毎月1日を白蛇さんの日と定め、御神体を開帳し開運厄除けの祈願を行なっています。(毎月1日には雄1体を開帳・正月には雄雌2体を開帳)

巳さん(白蛇龍神)のはなし


白蛇龍神は、御神体勧請由来記によれば、雄雌二体の白火蛇であると伝えられています。また、中国の文献によると、白火蛇とは中国大陸の奥地に千年に一度現れるという蛇であり、「吉凶を人間に知らせるもの」とされ、五穀豊穣や天災を知らせたといわれています。そして、この蛇が中国から出雲の日御碕に伝えられ、ここに祀られたとされています。

出雲(島根県)の日御碕神社龍蛇神徳記によると、

『日御碕神社では、10月11日から17日まで神事斎龍の神事を行なう。この七日間に、海辺風烈し雲あがり波涛が立ち、錦紋の龍蛇が出現する。社人氏人の中で霊夢のお告げを受けたものが、斎戒正装して、この龍蛇を迎え、これを神前に進めて神楽を奏し、神事を行なう。その時、龍蛇自然と蟠居して来年の吉凶を首尾の形で示す。龍蛇は何年を経ても形状を変えず虫食いや腐敗することもない。極陰の月は諸中みな蟄居するが、日御碕両宮の神徳により出現して一陽来復を告げるのである。

従って龍蛇神は総身に春の青色と金色とで覆われ、日御碕神社の神紋である柏葉の形を首尾に顕している。龍蛇は龍神の使いなので、龍蛇神として祝祭する。龍神の分身なので、日御碕の地には往古より火災がなく、田畑には旱魃の憂いもない。そこで龍蛇神を尊信する土地には必ず火災が消除され祈雨の霊助を蒙ることが多い。』

つまり、

『日御碕神社では、10月11日から17日まで神事斎龍の神事を行ないます。この七日間の間、海辺に激しい風が吹き、雲があがり、大きな波が立ち、錦紋の龍蛇が現れます。神職や氏人の中で霊夢のお告げを受けた者が、身を清め衣服を整えてこの龍蛇を迎え、これを神前に進めて神楽を奉納し、神事を行ないます。その時、龍蛇は自然ととぐろを巻き(ヘビが長い体を渦巻きのように巻いて落ち着くこと)、来年の吉凶を首尾の形で示します。龍蛇は何年を経ても形状を変えず、虫食いや腐敗することもありません。10月は多くの人が隠れて過ごしますが、日御碕両宮の神徳により龍蛇が現れて、凶がつき吉が来る事を告げるのです。

従って、龍蛇神は全身が春の青色と金色とで覆われ、日御碕神社の神紋である柏葉の形を首尾に顕しています。龍蛇は龍神の使いのため、龍蛇神として祝祭を行います。また、龍神の分身なので、日御碕の地には昔から火災がなく、旱魃(かんばつ)の心配もありません。そこで、龍蛇神を尊信する土地には必ず火災がなく、雨の恩恵を受けることが多いと考えられています。』

この神徳記と同じようなことが「耳底記」(古事類苑神祇部 日御碕神社の項)にも記されています。

『日御碕の神事の節は神主海辺に至り、波打ち際に立居ける事なるが、毎年日時を違えず、沖の方より藻の上に小蛇とぐろして流れより候を、神主両手にて受けて、直ちに神前にそなえ候恒例なり、右蛇或いは一日、又は両日程そのままにて動かずして死しにける。夫を直に干しため、年々の蛇形を納め置くに、信仰にて乞候ものあれば、付属して遣しける・・略』

すなわち、

『日御碕の神事は神主が海辺に行き、波打ち際で立ったり座ったりするもとであるが、毎年日時を変えず、沖の方から藻の上に小蛇がとぐろ巻きして流れてくるのを、神主は両手で受けて、すぐに神前にそなえるのが恒例である。(右蛇或いは一日、又は両日程)二度とそのまま動かずに死んでしまう。つがいの一方を直に干して貯めておき、年々の蛇形を納めて置いて、信仰して祈り願う者がいれば、こちらへよこして譲り渡していた・・略』


とあり、これらの事によって白蛇さんの由来と霊験を知ることができます。

舞楽 蘭陵王

舞楽 蘭陵王


金澤神社について